猟奇事件は海外だけの話ではなく、日本でも宮崎勤による幼女誘拐事件、女子高生コンクリート詰め
殺人事件、バラバラ
殺人事件の多発など恐ろしい犯罪が起こっている、切り裂きジャックの話もく日本でも数例あるが、有名なのは男子高校生による連続少年切り付け魔事件だろう。しかし1960年代に二人の女性を殺害し、逮捕されたのちにさらに二人の女の子を切りつけて殺していたことを供述した高橋正彦はあまり知られていない。当時事件は東京切り裂きジャック事件と呼ばれていた。
高橋正彦の犯罪通報を受けて現場の旅館の部屋に駆けつけた捜査員、はあまりの壮絶な現場に思わず目を背けたと言う。
血の海となった部屋の中には、頭・腹胸・陰部・両手両足・全身めった刺しにされた女性が倒れており、内臓がはみ出して畳にまで達して、えぐられた乳房が頭の上に置かれていた。
これは場数を踏んできた捜査員も思わず嘔吐しそうになったという。検視の結果ナイフで刺されたのは合計で97箇所にのぼり、遺体の状況から見て変質者の仕業であると思われた。
従業員の話によると殺された女性は男と一緒に旅館へやってきてたという。そして男の方は「女はあと30分くらい寝てるから」といって勘定を済まし、先に旅館を出たとその時に対応した従業員が証言している。
男の様子はとにかく感じがよく、まさかこんな残忍な犯行が行われていたとは夢にも思わなかったと従業員は語っている。
その後の調べで被害者は売春婦であることが判明。過去に2回逮捕歴があった。
捜査本部は性的変質者に的を絞って捜査を始めたがこれが逆に裏目となって事件解決は長引くことになる。
半年後ようやく犯人が逮捕されることになった。
しかしその逮捕は全くの偶然で、小料理屋のママに誘われ性行為に及んだ男がベッドの上で些細なことから喧嘩になり、ママに帰るように促されたことに逆上。男はナイフで腹を刺し逃走しようとしたところを逮捕されたのである。現場の状況や性交渉時に逆上して相手の女を刺すという手口が先の事件と似ていたことから捜査官が追及するとあっさりと自供したのである。
男の供述によるとベッドで「おにいさん若いのにだらしないわね」と言われカッとなって持って行ったナイフでメッタ刺しにしたのだという。さらに調べていくと
男は女そのものに怨念を抱いていたことが分かった。
男の名前は高橋正彦。
生後3ヶ月で養子にやられた高橋正彦は養父の手で育てられたが、そのため母親の愛情を知らずに育ち、少しでも女性から冷たくされると屈辱を感じるような性格になっていったのである。
また逮捕後の告白で過去の犯罪も判明した。
小学生の女の子を刺して殺した事件が明るみになり、その余罪の大阪から死刑判決を受けることになった。幼年期の環境や教育愛情などがいかに大切であるかが伺える事件である。
殺人者は最初から殺人者ではないアルコールやドラッグの乱用は本人の自己責任としても、両親の不和、家庭内暴力、性的虐待による不幸な家庭環境は子供たちを人格的に未成熟な段階に止め、彼らは現実避行の方法として空想の世界にふけるようになる。
自分が受けた虐待への報復として他人を攻撃したり支配する空想に子供達のエネルギーは向けられているのだという。
要するに現実での家庭不和や虐待という不幸な環境に身を置いた子供は、それらから逃れるために他者への攻撃を空想することによって昇華させようとしているのである。そうやって殺人者は最初から殺人者なのではなく作られていく。
殺人者の人格を形成する契機となった出来事は次の三つの要素からなる場合が多い。
第一は身体的、もしくは性的虐待によるもの、第二は心理的発達における欠陥、そして第三は対人関係での欠陥である。
第一に当てはまるのは手が不自由だった宮崎勤。
第二に当てはまるのは山地悠紀や高橋正彦。
第三に当てはまるのは藤城康孝。
興味深いのは殺人者の多くがセックスについては未成熟であり、またセックスに嫌悪感を抱き自分の性的能力についてコンプレックスを持っているという事実で、彼らは自分が他人と同じような性行為が出来ないことを知ってその怒りのはけ口が異常な殺人という形になってしまうのかもしれない。彼らの性的快感は他人を傷つけることによって得られるのである。
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